
2025年 「ブルックリン博物館 特別展 古代エジプト」に出陳中のペセシュ・ケフ

東海大学文明研究所蔵 儀式用ナイフ 石灰岩製
儀式用ナイフ
2025年2月~4月まで六本木の森アーツで開催中の「ブルックリン博物館 特別展 古代エジプト」の中に、エジプトでは珍しい黒曜石製の儀式用ナイフ(ペセシュ・ケフまたはポセシュ・ケフ)があります。この石器は凹の部分に刃部があり、細長い握り手のように見える部分には刃潰しが施してあります。古王国時代以降はピラミッド神殿での儀式(おそらくは王の魂の再生儀式)に使われたと考えられていますが、ピラミッド時代より前の初期王朝時代には別の用途で使われていたようです。
一説によるとナイフの凹部分で臍の緒を断ち切るために使われたとか(真面目な学説です)。ただ、臍の緒を断ち切るためにだけなぜこのような形の石器を作ったのかは定かではありません。